飲食店・レストランの“トレンド”を毎日配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム中四国」

ヘッドライン

全国初!高知県32万世帯が選ぶ地元お勧め飲食店を決める『「高知家の食卓」県民総選挙2014』が開催

12月5日 「高知家の食卓」県民総選挙2014 告示の様子
本物の選挙さながらのポスター
県民への選挙活動中
高知県観光振興部 観光政策課 主幹の松本栄志氏



今回、高知県で全国初の試みとなる『「高知家の食卓」 県民総選挙2014」』が開催される。高知県は大河ドラマ龍馬伝の人気もあり、龍馬ブームが起こる。県は次の方向性として自慢の「食」に注目をした。現在では観光客が高知県へ旅行する目的の第1位であり、半数を占めるのが「地元のおいしいものを食べる」。また、県民の9割以上が「高知の食材は豊富でおいしい」と感じているという理由からだ。


高知県観光振興部観光政策課の松本栄志氏に話を聞いた。「お勧めの郷土料理や自慢の食材は観光客に伝えることが出来るが、どこの店が美味しいかは紹介出来ない。観光客は地元の人がよく行くお店を知りたい。そのニーズは間違いなくある。行政である以上、どうすれば公平に店を選び紹介することが出来るのかを考えた時、高知県民みんなで決めたら文句は無いだろうという単純な理由から始まった。」


内容としては高知約5000店舗を対象とし、県内を7エリアに分け、各エリアの上位1%の店舗だけ発表し、順位が分かるのは総合1位とエリア別1位のみ。26年3月9日開催の『土佐の「おきゃく」2014』で公表し、4月から1年間観光施設や宿泊施設で高知家の食卓専用パンフレットを作成し紹介する予定。ウェブでも閲覧可能にし、安心して観光客に利用していただくことで高知旅行に満足してもらう。その上で観光客増加も期待している。


投票の懸念材料としては同一人物の複数票。これを避けるため、各世帯に配布される県広報誌「さんSUN高知」1月号に投票用紙を印刷し、その用紙の投票のみカウントする。ショッピングモールとかにも配布されるが、世帯配布以外の用紙とは判別可能なため同一人物の複数票の場合はカウントされないなど、本物の選挙さながら。全32万世帯の10% 約3万世帯の投票数を目標としている。雑誌のプレゼント企画の応募率が2%ぐらいなので高い目標ではあるが、この投票数であれば総選挙と言っても問題ないだろう。


お勧め理由が料理だけではなく、店の雰囲気、接客、立地などの総合的な理由から決まる。お薦めの理由については積極的に公表する。「これにより高知県全体の店のレベル底上げが出来れば」と考えているそうだ。


今後、県としては大手宿泊予約サイトから高知県の宿泊施設に予約し、クーポン券付きプランを選んだ客に対して(仮称)「高知家の晩酌手形」という名のクーポン券を提供したいと考えている。また、旅行会社から予約した観光客に対しては(仮称)ランチクーポンとして、宿泊者が翌朝、高知県から他県へ行く場合でも「選ばれた店があるからランチでも食べてみようか」という動機を生み、半日でも滞在期間を延ばそうとも考えている。これ以外にはコンビニとのコラボによる弁当化やグルメツアーも検討している。


この県民総選挙によって間違いなく店はこの恩恵を受けるだろう。期待して観光客が食べに来る分、それに応えるパフォーマンスを維持しなければ、期待値を下回り、この取り組みの失敗にも繋がる可能性がある。だからこそ県民が真剣に選び、店側も同じく真摯に対応しなければならない。今回得られる選ばれた理由は店にとっては重要で興味深い情報になる。ここから店の今後の方向性・ヒントが得られ、店のレベル底上げになるだろう。このような飲食店を巻き込んだ取り組みが成功すれば、「食」で観光客を呼び込む成功例として他県の参考になることを期待する。

(取材=上野 真弘)

店舗データ

店名 「高知家の食卓」県民総選挙2014
電話 「高知家の食卓」県民総選挙係 TEL:088-856-6280
運営会社 主催:高知県観光振興部観光政策課、高知県観光コンベンション協会
関連リンク 「高知家の食卓」県民総選挙2014

ヘッドライン一覧トップへ

Copyright © 2014 FOOD STADIUM ISLAND INC. All Rights Reserved.