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高知県全18蔵元 100種類の日本酒をショットサイズで!土佐酒の美味しさを伝え、今は無き高知の風情 柳町通り復活を目指す「全十八・蔵元テロワール 土佐酒バル」!!

外観
椅子は升をイメージ しており各テーブルに卓上酒燗器を導入 右奥に見えるのが専用の日本酒セラーになる
呑み比べするのには適量の60ml
しめさば(ゴマさば)300円
3種類楽しめる呑みくらべメニュー



高知市大手筋は柳町という飲み屋街だった。店先の通りには柳があり、そこを酔客が行き交うことで通称 柳町通りとして賑わっていた。現在はきれいに整備されてしまい柳が無くなり、良い意味で風情のあった街並みが消えてしまった。そこに柳を復活させて高知の匂いを取り戻すべく、先陣を切った「全十八・蔵元テロワール 土佐酒バル」が昨年12月26日にオープンした。


ワークスみらい高知の代表 竹村 利道氏と土佐酒バル店長 問可 千佳子氏に話を聞く。土佐酒バルを運営するのはワークスみらい高知になり、障害者が胸を張って真っ当な給料を稼ぎ、哀れを生むのではなく物を売るという意識でカフェ、スイーツ、ワインバーなどの飲食店等を独自に手掛けている。代表の竹村 利道氏は「高知の高知らしい店を出し、どこまでいっても高知の人間が痩せても枯れても中心市街地を練り歩いた匂いを取り戻す店造りはささやかだがやっていきたい。地域活性化と障害者雇用の両方の目的のために土佐酒バルを始めた。」


同店は高知県全18蔵元の酒が約100種類取り揃えている。高知にいるにも関わらず、全蔵元の酒が飲める場所が無いのに気づいて以降、代表は全蔵元へ挨拶回りをする。1合180mlではなく45mlや60mlのショットサイズの少量でやる方針を伝え、歓迎を受ける。1杯100円~800円になるが、ほとんどの酒が100円~200円の価格帯になる。400円以上の酒に関しては年間数本しか作らない稀少な酒や特殊な製法で作られた酒に限った価格帯になる。各酒の魅力を伝えるため、大吟醸はワイングラスに、リキュールや炭酸入り日本酒は細長いグラスに注いだりと容器でも美味しさを引きたてている。酒の保管にも気を使い、常温で保管すると品質が悪化するので、特注で日本酒セラーを作り8℃~10℃で150本近く保管をしている。更にチェイサーも蔵元からの仕込み水にするなど徹底している。酒にあまり詳しく無い人は飲み比べセット(3種類)を勧めている。酒好きな客は1杯が少量なので全18蔵元の酒を飲み比べる人も少なくない。


食べ物も100円~500円と低価格。全て小皿料理になり、中でも高知名物の「自家製酒盗」やブランド豚で有名な「四万十豚の味噌漬け」、地元野菜を使った「季節の野菜のバーニャカウダ」が人気メニューだ。平日は県外からの出張客が多く、高知らしい料理を食べたいニーズが高いからだ。


客単価は平均2000円。上質な酒をたくさん飲んでもこの価格に収まる。各テーブルに自分の好きな飲み方で楽しんでもらうために卓上酒燗器を導入している。ぬる燗・良燗・あつ燗の温度帯があり、そこで4杯~5杯飲んで1品2品の料理を頼んでも1200円~1500円。ゆっくりと日本酒を飲んでのこの価格に客から非常に好評を得ている。


代表の竹村利道氏は「日本酒の可能性も感じるが、返杯文化や無茶な飲み方で酒嫌いになった人や女性にも本当に美味しい日本酒を知ってもらえるキッカケになれば。」と期待をよせている。現在は柳町通り復活のために一緒にやる人を募集しており、それに賛同してくれる人が現れ、「物件を探して欲しい。」と少しずつ前に進んで行っている。地方の独特の文化は良い意味で偏っている。それをどう活かすかが大切。新たに創り出す物と残す物を見極める必要がある。その事を理解して行動に移しているワークスみらい高知の今後の動向が楽しみだ。

(取材=上野 真弘)

店舗データ

店名 全十八・蔵元テロワール 土佐酒バル
住所 高知県高知市追手筋1-9-5
アクセス (車の場合)高知ICから15分、(電車の場合)土佐電鉄伊野線 堀詰駅から3分
電話 088-823-2216
営業時間 18:00~24:00(L.O.23:30)
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)
坪数客数 20坪27席
客単価 2000円
喫煙環境 完全禁煙
運営会社 ワークスみらい高知
関連ページ ワークスみらい高知

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