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【食品加工者リポート】丸干しイワシ一筋の「株式会社武久海産」!!      この道40年の職人が作り続ける味とは!?


愛媛県最南に位置する愛南町はリアス式の入りくんだ海岸をもち、鰹やヒオウギ貝や牡蠣養殖など水産物に恵まれている。その愛南町で丸干しイワシのみを作り続けている「株式会社武久海産」がある。

武久海産(工場全体)

株式会社武久海産の本社件工場



代表取締役 西口弘氏は同社の3代目になり、40年前に入社した時から丸干し一本で作り続けてきた。武久商店として60年以上前から始まり、丸干し作りは50年の歴史をもつ。だが作り方はマニュアル化されている訳でもないので、昔ながらの「見て盗む」スタイルで西口氏は試行錯誤しながら邁進してきた。

武久海産(社長)

代表取締役 西口弘氏



商品の丸干しイワシは非常にこだわりをもって作られている。

原料となるイワシは単に地元の市場に買い付けに行くのではなく、事前に地元漁師達とコミュニケーションを取っている。どのようにして魚を穫ったのかなどの経緯を含め情報を集めている。出来るだけ何も食べていないイワシのほうが鮮度が良いためだ。

今も昔も目抜きでイワシを連ねてる形が多いが、同社はアゴに差している。アゴに差すことで内蔵まで風が通りやすくなり、乾燥時間が短縮され、鮮度が保たれる。これにより魚の色艶が違ってくる。

その上、魚自体の鮮度が悪いと、アゴがシッカリしておらず割けてしまい、見た目が悪くなる。アゴに刺さっていることが鮮度の証にもなる。

このアゴ差しは技術が入り、出来上がりの形を均一にするため、ウルメイワシならエラを2〜3枚、カタクチイワシなら1枚も差さないようにと魚種によって変えている。

魚の味を左右する塩抜きは西口氏の40年の経験が物を言う。

腐敗する内蔵・血に塩が染み込んだ時に、水にさらして塩抜きをする。だが塩を染み込ませ過ぎると水にさらす時間が長くなり、水と共に旨味が落ちてしまう。その絶妙なタイミングでの塩抜きの見極めが最も難しい。その見極めが可能だからこそ、他社の丸干しイワシよりも塩分量が少なく、焼いても臭みが無い。

これだけこだわった商品になるが1箱3500円(約150匹入)で販売されている。

武久海産(丸干しイワシ)

丸干しイワシ(贈答用)



今後の展開として西口氏は「常温商品の開発を考えている。現在1トン近くの魚を仕入れ、その半分は捨てている。魚の大きさを均一にしないと塩加減や乾燥時間にバラツキが出てしまい、品質が安定しない。若者の魚離れや人口減少を懸念し、幅広いターゲットに向けた商品が必須だと感じている。」

魚を食べる機会が減ってきているからこそ、本当に美味しい商品を残していく必要がある。常温商品も楽しみではあるが、この丸干しイワシの素晴らしさを今後私たちは少しでも多くの人に伝え、応援していきたいと思う。

(取材=上野真弘)

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